私が勤務しているのは、中高一貫の進学校です。
中学入試の勉強というと、塾のテキストにある知識や解法を覚え込んで、問題に速やかに対応して答えるという発想を持っている人が多いようです。
入学した後も、定期テスト前に、「先生、何をおぼえたら80点以上取れますか?」なんて聞いてくる生徒もいるくらいです。
しかし、私立進学校(特に難しい学校)の作問担当者が考えていることは違います。知識量やパターン認識ではなく、理解力やその教科特有の考え方(習慣)を身につけているかです。
理由は容易に想像できるでしょう。学校側は、入ってきた生徒が将来、その学校の卒業生たちと同じような大学へ進学することを想定しています。進学実績は、企業の業績と同じです。進学実績が前年度より劣っているような状況が続けば、少子化の中、学校の経営が成り立たなくなります。
難易度の高い大学へ進学できる素質は、中学入試の知識や解法をたくさん詰め込んでいるかどうかではなく、上に書いた作問担当者の考えのようなことです。
入試問題についても、要求される知識や解法は多くはなく、問題を読み取って、問題文に沿って考えて答える形式のものが多くなります。
以上を受けて、中学入試を受ける上で、ヒントになるようなことを次回書いてみようと思います。